収入が途絶えて生活が困難な方へ(生活保護)

一般的な状況

仕事を続けている多くの方が、がんに罹患することで収入が減少します。そのため、家計の維持が困難になってしまうケースがあります。

よくある困りごと

  • 入院や治療が長期化し、復職が困難になってしまう
  • 仕事を続けているものの、これまでのように残業代やその他の手当が得られず、生活が困難になってしまう
  • 貯金の切り崩しと少ない年金で生活していたが、がんに罹患し医療費を支払うことが困難になってしまう

考え方のポイント

生活保護にはいろいろなイメージが先行している方が多いかもしれません。しかし考え方としては、国民の権利であるということだけではなく、一時的に支援を得た上でその後の自立(自分の力で生活していく)ためのセーフティーネットです。

生活保護の条件として、世帯を単位とし、(1)~(4)のすべてにあてはまる場合に受けられます。

  1. (1)世帯の収入が、国の基準による「最低生活費」より少ない。
  2. (2)預貯金、生命保険、不動産等の資産がある場合は、それらを最低限度の生活の維持のために活用している。
  3. (3)働く能力がある場合は、それを最低限度の生活の維持のために活用している。
  4. (4)年金、手当等他の法律や制度により給付等を受けられる場合は、それらを最低限度の生活の維持のために活用している。

このような条件において、生活保護費を受けながら仕事を続ける方、ご自身の年金に生活保護費の充当を受けて生活を維持される方もいます。また地域・条件によっては現在の住宅に住み続けながら生活保護費の充当を受けながら生活ができるケースもあります。

特に生活保護を受けることによって医療費の負担がなくなります。これによって治療内容が制限されることはありません。お悩みのことは多いかと思いますが、生活基盤を整え、ゆとりをもって治療や緩和ケアに専念するためにも、最後の手段ではなく一時的な手段として考えていただくと良いかもしれません。


※このページの情報は一般論として記載しています。全ての人に該当しない可能性がありますが、参考情報としていただけましたら幸いです。
(担当:看護師 賢見卓也)