退職をせまられたときに確認するべきこと

一般的な状況

退職をせまられるというのは、解雇(いわゆるクビ)とは違い、退職勧奨といって会社から従業員に対して従業員本人の意思で退職するよう説得することです。一般的には退職金の増額など退職に合意した場合のメリットと、昇進しないなど退職に合意しなかった場合のデメリットを提示されます。あくまでも説得なので退職するかどうかは自分で決めることができます。

よくある困りごと

退職勧奨を受けると、辞めなさいと言われたと思い慌てて退職願を書いてしまいがちです。退職勧奨を受けても応じる義務はありません。退職する気持ちがないのであれば「退職するつもりはありません」と明確に返事をしましょう。退職勧奨は説得行為なので法的拘束力はありませんが、行き過ぎた退職勧奨は「退職強要」にあたり不法行為となります。退職強要があった場合は、その証拠として詳細なメモを取っておきましょう。

考え方のポイント

治療と仕事の両立への不安は本人だけでなく会社も抱えています。

特にがんは治療やその副作用も個別性が高いので会社も対応方法がわからず、安易に退職を勧めてしまうこともあります。

主治医、産業医、会社人事や職場上司とよくコミュニケーションを取り、両立できる方法を具体的に説明しましょう。それでも退職強要がある場合は都道府県労働局の総合労働相談コーナーや労働基準監督署に相談しましょう。

退職に応じるのはやむを得ないと考えているのであれば、自分に合った仕事を見つけるチャンスだと割り切ることも必要となります。退職をせまられるという経験は辛いものです。しかし、慌てず冷静に今後どう生きていくのかを考え、納得のいく決断をしましょう。


※このページの情報は一般論として記載しています。全ての人に該当しない可能性がありますが、参考情報としていただけましたら幸いです。
(担当:社会保険労務士 天野初音)