一般的な状況
がん罹患後、就職・再就職を目指しているが、どのように就職活動を進めていけばよいかと悩んでいる方は多いです。希望する職種の募集要件(経験・スキル・資格など)に合致せず応募をためらったり、応募しても採用に至らなかったりと、就職活動がうまく進まない状況も少なからずあります。
よくある困りごと
就職活動をしていくにあたり、「ブランクが長い」「キャリアチェンジしたいがスキルが足りない」「体力的に自信がない」などの困りを抱える方が多くいらっしゃいます。就職がなかなか決まらず就職活動が長期化した場合、焦りや不安を感じたり、経済的な問題が生じたりすることがあります。
考え方のポイント
現在のままでは就職に不安がある場合、一定期間、職業訓練を受講してから就職を目指すのもひとつの方法です。地域により訓練内容や開講時期が様々ですので、受講を検討される際は早めに最寄りのハローワークへ相談しましょう。
職業訓練は公的な制度なので、規定の出席日数を満たす必要はありますが、定期通院をしながら受講している方もいらっしゃいます。職業訓練を受講したことで、「就職する自信がついた」という声も聞かれます。受講に関して、訓練延長給付や受講手当、通所手当など経済的な支援が受けられる(受給要件あり)ので、お金の心配をせずに勉強や就職活動に集中できるというメリットがあります。
職業訓練には、「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2つがあります。「公共職業訓練」は、都道府県が運営しており、主に雇用保険を受給している方が対象です。「求職者支援訓練」は、国が運営しており、主に雇用保険を受給していない方が対象です。いずれも公的な職業訓練ですので、受講料は無料(教材費等の負担あり)です。
訓練内容は、例えば、パソコンスキル、事務、介護、CADなど多種多様です。また、学んだ内容が就職につながるよう、各訓練校では応募書類作成や面接練習などの就職支援にも力を入れています。ハローワークにパンフレットやチラシが備え付けられていますので確認してみてください。どの訓練にするか迷っているときは、ご自身の職歴を棚卸して、これから身に付けたいスキル・知識を整理することが大切です。ハローワークでキャリアコンサルティングを実施していますので活用してみましょう。
職業訓練の講義は原則土日祝日を除く毎日、おおむね9時から16時までです。1日中勉強することは集中力やある程度の体力を必要としますので、「不安だな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。必要に応じて主治医にも相談し、ご自身に合った訓練、場所を選びましょう。
※このページの情報は一般論として記載しています。全ての人に該当しない可能性がありますが、参考情報としていただけましたら幸いです。
(担当:社会保険労務士 近藤明美)